ぼっちのブログ

シニアだって色々したい。

あっくの初恋?

三丁目の角を曲がってしばらく歩くと


古びた大きな洋館がありました。


1年生になったばかりのあっくんは学校へ行く途中に


いつも


不思議そうにこの古びた洋館を眺めた。


「どんな人が住んでいるんだろう」


友だちの声


「おーい!あっくん遅れるぞー」


1年生になり始めて出来た友達が


少し小太りのゆうくんです。


毎日通る洋館はやっぱり気になります。


いつものように、


洋館の大きな門の前で立ち止まり眺めるあっくん。


3階に目を向けると、


大きな窓に白いカーテンが揺れていた。


「えっ?」


揺れるカーテンに髪の毛の長い女の子が見えた。


「ねえ、ねえ」隣にいたゆうくんに、


「三階に女の子がいるよ」


眠気眼のゆうくんは「女の子?」


「いないじゃーないか?」


たしかに、あっくんが見た女の子はいなかった、


カーテンがゆっくり揺れていた。


今日の朝日はいつもよりまぶしかった。


走るあっくんとゆうくん


大きなランドセルが揺れている。


その後ろ姿を三階の窓から眺める病弱の少女が羨ましそうに


眺めていました。


咳き込む少女は


後姿が小さくなるまで眺めていました。